複雑なものを複雑なものとして受け入れる感性
アブラハブ=マズローの5段階欲求説
ユング心理学のシャドウという概念など
人間心理を非常にシンプルな概念で説明する枠組みは
その分かりやすさと完結さで
多くの人にいま受け入れられています。
特に最近は出版不況の中
自己啓発関係の書籍が群を抜いて
数多く出版されているという事実からも
こうした心理学概念の商業化
は非常に顕著だといえるでしょう。
これも世の中が不安定化し
よりどころとなる既存の確かな価値観が
崩れ去っているということも
その背景にあるのだとおもいます。
しかしながら一方で
こうした極端に
物事をシンプルにしてしまう概念には
わたし達はより
繊細に向かい合う必要もあるのではないかと思うのです。
あらゆる学説は、あくまで仮説であるということを忘れてはいけませんし
そもそも
人間のこころというのは
そうした概念に内包されるほど
単純なものではありません。
これは占星術の枠組みに関しても言えることで(もちろん占星術は決して心理学のような正当な意味での学問でも、また科学ではありませんが)
占星術師もクライアントの心を理解する上で
決して星が全てではないということも
肝に銘じておく必要があるということ。
人間の心いう
非情に複雑で
しばしば当の本人である自分自身さえ理解しにくい
対象を安易な理論で理解できると思わずに
わからないものをわからないものとして
複雑なものを複雑なものとして
認めて行く
そうした繊細な感性も
とても大切ではないかと思うのです。
便利で手軽な
ジャンクフードのように
あまりにもシンプルにされた概念でひとの心を
理解した気にならずに
(しばしばそうした概念で人を裁くということも行われがちで、そういう話を聞くたびにため息がでますが、)
人間の心という
そのわからなさと向かい合うこと
その複雑さと向かい合うことを
忘れてはいけないと思うのです。








