Jun18

「自己啓発」概念の再検討

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最近の自分の研究テーマは「自己啓発」概念の再検討。

本屋に行けばわかるのですがここ数年

「自己啓発」の書籍が非常にブームなんですよね。

自分の好きなことで仕事をする。

自分の潜在的な可能性に気づくことで

夢をかなえるといったような内容。

 

自分自身も占いを通じて

この文脈に沿った活動をしているのですが

しかしそもそも「自己啓発」ってなんだろう?というのが

最近のもっぱらの研究テーマです。

 

研究ということは、もちろんその文脈を客観的

そして批判的に見つめていくということでもあります。

 

この「自己啓発」概念のもともとのルーツは

アメリカの心理学

特にAマズローの自己実現理論に代表される「人間性心理学」

そしてもう少しさかのぼれば

アメリカのクリスチャンサイエンスや

ニューソート運動に行き着きます。

 

ニューソート的な考え方といえば

作家名でご存知の方も多いと思うのですが

「原因と結果の法則」のジェイムズ=アレンや

「引き寄せの法則」のW.アトキンソンで知られる

気持ちを前向きで明るく保つことで

いいことが起きるという考え方。

 

こうした考え方って、最近かなり流行しているにもかかわらず

日本ではあまりこのニューソート運動という言葉を知る機会がありません。

そしてこの文脈ってかなりアメリカ的な価値観なのです。

 

昨年イギリスに行ってすごく感じたことなのですが

私たちはしばしば「欧米」というくくりで語っている内容は

そのほとんどはアメリカにルーツを持っていて

実際にはヨーロッパとアメリカとはかなりその思想的、文化的な

バックグラウンドというのは

私たちが考えている以上にかなり質の異なるものなんです。

 

というのも、自己啓発や自己実現という概念時代が

かなりアメリカ的な文脈に属している

ひいては「アメリカ型資本主義」の価値観にかなり根ざしているなと

最近強く思い、ある種これを問題意識として

こうしたことをもう少し客観的に見つめていきたいなと

改めて自分自身が属している思想的なバックグラウンドを

見つめなおしています。

 

ヨーロッパの友人と話していると

日本にいながら

いかに自分がこうしたある特定の考え方

(特にアメリカ的な思想)の影響をうけて

育ってきているかということに気づきます。

 

そのなかでも自分が最も影響を受けてきた概念が

「自己実現」という考え方。

 

自分の内側にある自己の本質に気づくことで

内在する葛藤を解消しながら

より豊かな人生を歩むことができる。

 

これっていうなれば非常に「現代的な、

そしてアメリカ的な神話」だとも

いえるのですよね。

 

昨年英国占星術協会の年次カンファレンスに参加した時も

英国の占星術家と話していて感じたのですが

彼らはこうした自己実現的あるいはニューソート的・アメリカ的なコンテクストとは

全然違う姿勢で占星術と向かい合っているのだなということを

感じました。

 

この辺ももう少し占星術のアクターとして

自分のコンテクストを客観視しつつ

活動していきたいなと最近よく思います。

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Comments(2)

こんにちは。週刊占いいつも楽しみにしています。

私は日本人ですが、アメリカでアメリカ人と一緒に住みながら高校〜大学そして6年働いていて今は日本に居ます。おっしゃるとおり、日本はアメリカ的ポジティブな考え方をそのまま受け入れようと必死だと思います。日本はアメリカに戦争で負けた国。やはりアメリカから来るものを受け入れるということが戦後の国民性にあるのだと思います。ですが、私のBFはヨーロッパ人で、日本語の「欧米」という言葉自体がとても変な言葉であることを痛感しております。昔「欧米」というのは、白人がいる国々という意味だったのでしょうが、アメリカではあと10年で白人の比率は50%以下になるといわれていますし、アメリカという独自の文化や考え方があり「欧米」という言葉では人や文化や考え方を説明できないです。

移民の国アメリカでは「新しい土地で何でもできる!」という期待を持って移住した人たちが作った国。逆に今のヨーロッパは伝統や長年の家族のつながりや安定を重んじる(だからこそ気候が温暖なアメリカやオーストラリアや南米に移住せずに居続けた人たち)人がいるわけで、実は日本とアメリカよりもアメリカとヨーロッパのほうが考え方の差が大きいと思います。

日本の伝統に合った「自己啓発」の考え方、広まってほしいですよね。歴史の長い単一民族の日本に合う考え方、あると思います。

ゆみさん、

こんにちは、ユピテルです。コメントとてもうれしいです。

なるほど、実際に海外に住んでいたゆみさんだからこそ
見える視点がありますね。とても興味深かったです。
 
最近は自分を客観視しようとして
自分自身の無意識のうちにどっぷりつかった文脈を
なるべく批判的に見るように心がけているのですが
そうするとアメリカ的な価値観がいかにこれまでの
人生に影響を与えてきたのかということに気づかされることが
多いのですよね。
 
決してこのアメリカ的な価値観を否定するつもりはないのですが
(むしろこれまでもそのなかで生きてきましたから)
でもそれを是としてすべてに合わせることもないんだなと最近
感じています。
 
特に最近僕が対象化しようとしているのは「ポジティブシンキング」
や「自己実現」という価値観。あたりまえのようにこうした言葉が
身の回りにあふれているのですが、すこしこうした価値観に対しても
自分なりの「つっこみ」をいれていこうと思っています。
 
ヨーロッパのお話しもとても面白いです。アメリカ一極集中の国際
情勢から徐々に世界が多極化していくなかで、これまでの日本人には
見えていなかった世界の姿がきっとみえてくるのかな。そして
それにともなってきっと「日本の姿」も改めて知ることになるのかなと
思います。
 

名前ユピテルジョージ 日時June 22, 2010 1:38 PM

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