エキサイティングな講座でした!「ぼくたちと占星術」

先日開催された
説話社主催 ぼくたちと占星術
~男性占星術師が贈る ジェネレーション☆トークセッション&ミニ講演会~
拝聴してきました!
ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベ先生、
鏡リュウジ先生、
そしてNOT FOR SALEの3世代による鼎談。
実に面白い論点が満載で
あっという間の2時間半でした。
その議論の中でも面白かったのが
最近の僕の問題意識でもある
「何かひとつの絶対的な世界観を持つことの危険性」にも
関係することですが、
占い師自身の「パワー(権力や権威)への意思」や
「鑑定やセッションという特殊な空間を通じて
疑似的に得てしまう全能感」についての問題について。
冒頭にルネ先生が
占い師やカウンセラーにしばしば共通していえることとして
「自己顕示欲が強くて臆病な人」であることが多いという指摘から
議論は深まり
「しばしばそのカウンセラーや占い師自身の内在的な不安を
カウンセラーは権威主義的な立場を通じて人の悩みを聞き
そして占い師は夢想的な世界観を通じて人の未来の話をすることで
解消し、安心を得ようとしている」
という論点の周辺について様々な議論がなされました。
実際にカウンセリングなどを行う実占的な占い師が
「占い師」であるという構造を通じて
そこに権威主義的全能感が生まれてしまう構造の怖さ。
しばしばこれはカルト的な宗教などに見られる構造でもあり
実際に個人鑑定をする実占的な占星術家がもっとも注意しなければならない
問題のひとつでもあるのです。
鏡さんがグッゲンビュール・クレイグというユング派の精神科医の書いた
「心理療法の光と影」を引用しながら
カウンセリングという空間における「力の問題」について言及されたり
鏡さんが翻訳された「魂のコード」などで
知られるアメリカの心理学者ジェイムズ=ヒルマンの
「A BLUE FIRE」などを引用しながら
そうした占いやカウンセリング
臨床心理学の「陰」の領域についての
議論も展開されていきました。
しかし考えてもみればこうした占いやカウンセリングの「陰」の領域について
公然と日本の占い界の旗手が討論するということ自体が
ある意味でNOT FOR SALEに代表される「占い新世代」にとって
非常に重要なこと。
多分、70,80年代というのはそうした占いに対する批判というのは
こうした同じ占い師の諸先輩方が語るのではなく
基本的にアウトサイダー(学者・有識者)が行っていたはず。
(そしてルネ先生や鏡さんはそうした批判と戦ってきたはず)
しかし不思議なことに
現在はそうしたものを批判する主体がなくなってしまったのか
そうした批判を占い師側が内在的にもっているということ自体が
ある意味で占い新世代における占い文化の特殊性
(科学と占いという対立構造そのものがなくなってしまった)
なのかもしれません。
これはある意味で現代という時代が
「オカルトに走る若者を叱れる健全な科学的精神を持った大人の不在」
ともいえるかもしれません。
あるいはもっというと
現代における「科学的精神」の在り方が大きく変化している
ともいえるのだと思うのです。
NOT FOR SALEや僕自身も
物心ついた時期にオウム真理教による一連の事件を
目の当たりにしている世代。
そして僕たちはそうした一連の事件があった後に
2000年代以降のスピリチャルブームの真っただ中にも
いたわけです。
近代における信仰の問題、宗教性の問題
などは「占い」を標榜しながら活動していくうえで
絶対に避けては通れない問題なのです。
日本の占星術文化を発展させてきた世代の旗手たちがこうした論点を
提起し、僕たち新しい世代がそれを受けてどのように
日本の「占い」のアクターとして活動していくのかということは
占い新世代においては非常によく考えるべき
大切な論点なのだなと改めて認識することになりました。
そしてそうしたある意味シリアスな議論が進んでいったのと同時に
特に面白かった議論が
鏡さんがルネ先生に質問を投げかけたところから始まった
60年代後半から70年代にかけての
海外の最先端の文化が一気に流入していく
「熱い時代」についてのお話し。
世界中から海外のファッションを勉強して帰ってきた
デザイナーや表現者たちが
とにかくおもしろいことをやろう!
と熱を入れて雑誌や新しいメディアを創っていた時代。
また日本の占い文化においてもこの時期は非常に重要な時期で
70年代初頭に女性ファッション誌が誕生し
そこで現在の雑誌における占いの原型ができ
爆発的に発展したのもこのころなのです。
ルネ先生はそのまさに開拓者で
1971年に女性ファッション誌non-noが創刊されて以来
私たちが目にする現在の形のファッション誌における占い文化の礎を築き
また、そのnon-noでも現在に至るまで一号も欠かさず
占いのコラムを書かれているのです。
また当時は 、ネットもパソコンもない時代ですから、
全ての原稿が鉛筆と原稿用紙で描かれた時代。
占い師が黒鉛で手をまっくろにして
腱鞘炎になりながら原稿が書かれていた時代。
そうした熱い時代の話をきくと
若い世代の僕はなんだかうらやましくて仕方がなくて
純粋に面白いものをつくろう!
という気概で60年代後半~70年代の
ポップカルチャーが発展していく舞台裏の話は
バブル崩壊前後に生まれ
失われた10年の後、
先の見えない不透明な平成の世に生きる若者にとっては
あこがれの時代でもあるなと
再認識。
そしてそうした議論の後に
我らがNOT FOR SALEの非常に面白い問題提起。
それが「日本の占いのポップカルチャーとしての可能性」について。
日本の占いシーンは
携帯コンテンツや毎朝のテレビ番組で
日常的に触れられるものとなり、ポップカルチャーとして
そしてしばしばコミュニケーションツールとして
高度に発展してきたという点を押さえたうえで
「ポップカルチャーとしての日本の占い」を
世界に輸出することはできないか?
との非常に面白い議論。
まさに彼らNOT FOR SALEの目指す
「かっこいい占い」は
そこに照準が合わされているのだなと
改めて認識。
そこには「現代における宗教性」というイシューを超えて
占いをかっこいいもの(ジャパンクール)として捉え直す
現代的な感覚が生きているのだなと。
こうした先の見えない時代であっても
高度経済成長期の70年代の文脈とは全く違った
日本文化の発展可能性があるのだなと再認識したのです。
実に面白い論点が沢山の鼎談。
2時間半では語りつくせないとても興味深い論点が次々と飛び出し
またそれに対する議論もそれぞれの世代の観点から語られ
非常にエキサイティングな講座だったのですよ。









Comments(4)
お疲れさまでした!
先日は久々に東京にでて、あの暑さにやられ、
まさに、はじめてのおつかい状態になっていたので、ママに最後に会えた子供みたいになり、、、すみません(笑)
内容は私には難しくて半分だけだったけれど、鏡リュウジ先生がおっしゃった言葉が、残りました。
メディアはミーディアムからきてる
成る程ー。改めて日本語に定着した言葉を、掘り下げることによって、すっきり!!しました。
NOTFORSALEさんたちの手相のが、楽しかったです(笑)
本当にありがとうございましたp(^^)q
yokoさん、
先日は偶然お目にかかれることが出来て嬉しかったです!
確かに、講座は専門的でとても濃い内容でしたね。
NOT FOR SALEの手相パフォーマンスも
面白かったですね~!
ユピテルさんのお蔭で参席することが出来た貴重なイベント、その日も私なりに受け取ることができたのですが今日ユピテルさんのブログを読み更に深~く感じ取ることができました。(やっぱりさすがだなぁぁ)ノンノのルネ先生の星占いは80年代に読んでいたんだなぁと思うとご本人お目見えにワクワク、鏡先生のタロットコンテンツには現在「当たってる!(若しくはそうなって欲しい!!)」と(心のマッサージ??)楽しんでいるので目の前でお声も聞けて(そのあまりの優しさと気配りと話術の巧みさに驚き!!)感動モノでした。
今回のユピテルさんによる引き合わせに心より感謝しますいつの日かユピテルさんのセッションへ・・・と夢が広がります。
rikanakoさん、
こんにちは、ユピテルです。ご返信が大変遅くなってしまってごめんなさい。。
そういっていただけて幸いです。3世代の鼎談、本当に貴重なお話を聞くことができましたね。
時代を超えて、いろいろな形でそれぞれの心に残り続ける「占い」。鏡先生が紹介されたルネ先生監修のタロットカードのお話など、時を超えてそんな像が結ばれるようなお話でしたね。