Jun11

自分の中にある「人生脚本」

「交流分析」という人間関係の心理学理論を創始した
アメリカの精神科医のエリック・バーン博士(1910-70)は、

7歳ごろまでに両親との関係性の中で築いたコミュニケーションのパターンが、
その後の人生の生き方に大きな影響を与えると伝えています。

彼は、幼少期の頃に(親や周囲の期待に応えるために)
決めた人生の生き方を「幼児決断」と呼びました。

そして彼は、人は、この「幼児決断」をもとに
自分の「人生脚本」を描き、それに忠実に生きていることを
発見したのです。

エリック・バーン博士の定義する「人生脚本」とは、
「周囲から愛情や承認を受け取るためのパターン」と、
言い換えてもいいでしょう。

この幼少期に「幼児決断」した「人生脚本」には
例えば、このようなものがあります。

▽「ものすごく頑張れば、存在していい」
▽「人をたくさん喜ばせれば、愛されていい」
▽「弱音を吐かずに強くあれば、家族であっていい」

といったような、「条件付き」のコミュニケーションのパターンです。

こうしたパターンは、心の中で強くなればなるほど、このように変化していき
ます。

▽「ものすごく頑張れば、存在していい」

「ものすごく頑張らないと、存在してはいけない」

「私は、存在してはいけない。だからものすごく頑張らないといけない」


▽「人をたくさん喜ばせれば、愛されていい」

「人をたくさん喜ばせないと、愛されてはいけない」

「私は、愛されてはいけない。だから、人をたくさん喜ばせないといけない」


▽「弱音を吐かず強くあれば、家族であっていい」

「弱音を吐かず、強くないと、家族に所属してはいけない」

「私は家族に所属してはいけない。だから、弱音を吐かずに、強くないといけ
ない」

こうして変化した人生脚本は、大人になってからも、心の中にしっかりと残り
ます。

「私は、存在してはいけない」
「私は、愛されてはいけない」
「私は、家族に所属してはいけない」

といった風に、モヤモヤした感じが残ってしまうのです。

そして、その後の人生の中で、
人は、こうしたモヤモヤした気持ちを打ち消すべく、

▼仕事でくたくたになるまで働いたり(ものすごく頑張れば、存在していい)
▼彼氏に尽くし過ぎて振り回される(たくさん喜ばせれば、愛されていい)
▼夫が自分の悩みに気付いてくれない(強くあれば、所属していい)

といった状況を、無意識に作り出していくのです。

こうしたネガティブなパターンを解放する上で、
まず大事なことは、
自分の中のこうした愛情のパターンである「人生脚本」に気付くこと。

そして、「幼児決断」をした、幼い頃の自分に、

「頑張らなくても、存在していいんだよ。」
「人を喜ばせなくても、愛されていいんだよ。」
「弱音を吐いて、弱くあっても、家族なんだよ。」

と言い聞かせてあげることが大事です。

自分の中にあるこうした、古い「人生脚本」を少しずつ、解放していくと、
人生は新しい方向性へと動き始めます。

古くなった「愛情獲得のためのパターン」から離れて、
自分らしい人生を、より自由に描いていくことができるのです。