Mar14

アイデンティティの形成から、ジェネラティビティの獲得へ

次の段階の仕事は、多方面的に「ジェネラティビティ」が中軸になっていくね。アイデンティティの形成が終わり、段階として次に進むべき時。仕事のパラダイムもこれで大きく変わっていく。アイデンティティの形成のための仕事は、巨視的な視点で見ても、本質は自分のための仕事だが、ジェネラティビティの獲得のための仕事は、本質的な意味でも、人のための仕事になる。アイデンティティをしっかりと確立したからこそ、次の段階に進むべき時に来る。
青年期に、アイデンティティという言葉によって自己が形成されてきたように、ジェネラティビティという言葉にも非常に救われる部分があるね。心理学的な裏付けというのは、今ここの自分の地図を確認できるし、非常に深い安心感を与えてくれる。
もともと昔から教育がテーマだったからこそ、ジェネラティビティはある意味ずっと背景に流れているテーマだったが、いよいよその年齢域に入ってきたということだね。自分が確立する前に、育成といっても変だからね。
そういう意味で、まだ今のタイミングじゃないとずっと思ってきた、書籍などにも、仕事の幅を広げていくべき時が来ているね。研究がだいぶ進み、なおかつ自己が確立してきたことで、ちょっとやそっとのことで、根本となるセオリーが大きく変化することもなくなってきた。つまり上の世代が培ってきたものを、下の世代に引き渡していくだけのベースを、青年期にしっかりと形成していくことができた。自分のアイデンティティを形成するプロセスで生まれるような瞬間風速的な内容ではなく、じわじわと人生に大きな影響を与えていくような書籍を書くべき世代に入ってきたんだと思う。人から認められるための仕事から、人を認めるための仕事へと移行していく時。パラダイムが変わることで、意識やエネルギーの使い方も大きく変わってくるね。
アイデンティティ形成期特有の「自分語り」の終焉であるとともに、誰のために、何を語るかを、自分のストーリーを一度切り離したうえで、あらためて見つめなおす時期。自分のものではない、この世界に生まれ出ずる「新しい物語」のために、何ができるか?そういった意味で、視野が本当に大きく変わる時。